仙台で飲食店を独立開業したい方、飲食業の経営の参考にしたい方必見！仙台の飲食業界できらりと輝く人＝飲食人をクローズアップ。
店名『浜一番』の由来は、先代の友人が浜で一番人気のお店になるようにと付けてくれたそう。昭和41年に閖上で創業し、約18年前に代替わりし、現在は息子さんである渡邉哲也さんが店主として、お店の味を引き継いでいる。「もともとラーメン屋になるつもりはなかったが、うまく誘導されて」と話す笑顔がなんとも嬉しそうだ。
震災で大きな被害を受け、その後は、錦ヶ丘や中野栄で営業、そしてこのたび念願叶って閖上に戻ってくることができたという。川沿いの景色は変わらないものの見慣れた街並みはすっかり姿を消し、地名は閖上だけど全く違う場所という印象を受けたそう。それでも閖上に戻ってきたかった理由は、生まれ育った場所だから。ふるさとへの特別な想いがそうさせたのである。
メニューは先代の頃からずっと変わらない。
店主のオススメでもある「でらっくす(980円)」は、みそ・しお・しょうゆから選べ、
みそを選択。でらっくす味噌ラーメンは、たっぷり炒め野菜(白菜、もやし、ニラなど)の上に、チャーシューが3枚、ワカメ、メンマ、ゆで卵がのっている最高のビジュアル、これぞデラックス。ニンニクの良い香りが鼻を刺激する。
まずはスープを一口飲んで驚く。「え！甘い！？」再度スープをじっくり味わう。やはり甘い。こってりした見た目から想像がつかないほどの甘さが広がる。野菜の旨みと味噌のコクもさることながら、この独特の甘み、これこそがこのお店の最大の特徴といえるだろう。やや柔らかめの細麺が甘口スープと馴染んでいる。初めて味わう味噌ラーメンに衝撃を受けた。
さらに、「平日限定お得ランチA(880円)」、中華飯と半ラーメンとチャーハンと半ラーメンの2つの組合せを注文する。中華飯は、もやし、白菜、きくらげ、青菜などたっぷり入った餡が、でらっくす味噌ラーメン同様に甘み強めの味付け。しかもかなりボリューミー
「一人前は一人前でお腹いっぱいにしなきゃダメだ」という先代からの教えをきっちり守っているそうで、まさにサラリーマンの味方。パワーチャージして午後の仕事も頑張れそうである。チャーハンは、ネギ、卵、チャーシュー、そしてグリンピースの彩りに昭和の懐かしさを感じる。濃ゆめの味付けのチャーハンとあっさり醤油味の半ラーメンを行ったり来たりと幸せな忙しさ。
創業当時からのお客様にとっては、ふるさとを想い出す懐かしい味に違いない。この味を守っていくことが自分の使命なのだと、暖簾に刻まれた「先代から守り続ける味」の文字が力強く揺れていた。
