「勾当台公園」駅より徒歩5分、
今年の10月1日にオープンした『 仙台ume 』は和食メインだが
それにとらわれない自由なメニューが魅力だ。
あえてアルファベット表記の店名にも、その想いが反映されている。
小学生の頃から料理好きな店主の梅津さんは、
35歳までに独立するという目標に向かって、料理や接客のスキルに磨きをかけ、
愛着のある国分町にお店を構えたという。
営業時間前「お客様との会話も楽しみたいので仕込みは全力で」と
控えめに語ってくれる後ろには、和食の基本となる出汁を取っている鍋が見えた。
落ち着いた外観と控えめな看板が高級感を漂わせている。
焦る気持ちをおさえ、おそるおそるメニューを覗くと
「え?意外と安い!」ので、安心して注文する。
落ち着いたところで、改めて店内を見回すと、
カウンター6席、テーブル席(4名)1つの、割とこぢんまりした、
ゆったり飲むのにちょうどいいサイズ感である。
お通しは茶碗蒸し。
しいたけの豊かな香りとダシの旨みを楽しみながら食べ進めると、
なんと、中からトロトロ熱々のクリームチーズが!
こんな組合せは初めてで、お通しですでにハートをぐっと掴まれた。
何せお通しが美味しいお店は間違いないのだから。
店名にちなんだ「梅」を使った料理や、パスタやグラタンなどメニューは和食にとどまらない。
まずは、蒸し鶏の梅しそパパイヤサラダ(780円)をいただく。
青パパイヤのシャキシャキとした歯ごたえのある食感がクセになる。
カニトースト~ズワイガニ使用~(680円)は、カニのすり身のようなものをパンで挟んで焼いたもの。
パンはサクッとしていて、中ははんぺんの様なフワッとした口当たり。
サクッふわ!この食感が楽しくてたまらない。
活たこから揚げ(850円)の絶妙な塩加減にお酒がぐいぐい進む。
衣が薄く、活たこのくにゅっとした歯ごたえがたまらない。
自ら東京まで足を運び買い揃えた食器も、シンプルながら美しく、センスの良さがうかがえる。
お刺身盛り合わせ(ウニ、中トロ、つぶ貝、カツオ、しめ鯖、いか、タコ)は、
ネタがどれも新鮮なのは言うまでもない。
ウニの甘さ、中トロのとろけるよう柔らかさ、
つぶ貝のコリコリした食感、それぞれの良さを存分に味わえる。
秋刀魚塩焼き(780円)は、こんなにふっくらふわっとした食べ物だったろうか!
プロが焼くとこんなに違うのかと感心するばかり。
海老ときのこのグラタン(980円)の上のチーズをサクッと割ると、
中からやわらかいホワイトソースがじゅわ~っと出てくる。
お腹はいっぱいになりつつあるが「もっと梅津さんの料理を食べたい!」と言うと、秋刀魚の梅肉とチーズ巻きを作ってくれた。
なんとも有難い。先ほどの塩焼きとは違い、ワインにも合いそうなお洒落な料理に仕上げるところがさすが!
そして、満を持して、しらすと南高梅のペペロンチーノ(980円)の登場である。
ガーリックの良い香りがたちまち店内に広がる。
隣の席に座っていた常連さんも、たまらず同じものを注文してしまうほどだ。
梅としらすだけなのに、こんなにパンチがあるなんて!
細麺で味がしっかりからみつき、梅のさっぱり感で、箸が止まらない旨さ。
最後はつみれ汁。心もカラダもほぐれるあったかさ。優しい味にほんわか癒された。
ギャップ満載の素晴らしいお店。
予約が取れなくなるのを覚悟で「umeって知ってる?美味しいよ!」と宣伝したくなる。