
幼いころ食べていた日常的なおかず。
「そんな懐かしいおかずをもっと食べてもらい
たい」との想いから、おばんざいを楽しめる
お店として2017年の8月にオープンした。
店名の『わのわ』には
「和」の心、会「話」、人との繋がりの「輪」
の3つの「わ」の意味が込められており、
人を大切にする店主のあたたかさが伝わってくる。

明るく広々とした店内は木の温もりが感じられ、ほっこり寛げる和の雰囲気。
日替わりのおばんざい6種盛り合わせ(980円)は豆皿にちょこちょこと盛られ可愛らしい。
折り紙で折られた小さな鶴や紙風船などがレトロ感満載で、
まるで昭和の食卓にタイムスリップしたかのようだ。
この日は、いかにんじん、鶏肉の南蛮漬け、おから、ポテトサラダ、
きんぴらゴボウ、お浸し(ワサビ菜・雪菜・春菊)。おふくろの味の定番「きんぴらごぼう」は、シャキシャキした食感と甘辛い味がなつかしい。

添加物は使わず日高昆布と鰹節で取った一番だしを使用し身体にも優しい。
どれも素朴な料理ではあるが、毎日食べても飽きないほっとする味。
痛風セット(980円)は、あんきも・牡蠣オイル漬け・うにたまご。
痛風まっしぐら旨いものが勢ぞろい!こうなるとお酒もぐいぐい進む。
伊達鶏と長芋の揚げ出汁(780円)は、ねっとりほっこりの長芋と
やわらかジューシーな伊達鶏に、三陸の岩海苔の風味が重なる。
あまりの美味しさに出汁を飲み干す。


自家製ベーコンの炭火焼き(550円)は噛むごとに出てくる脂が旨い。
他にも、身が分厚くしっとりした水鰈の一夜干し焼き(1,500円)や、
ほんのり甘さが増したアボカドの丸ごと炭火焼き(500円)を頂いた。
常連さんのなかには年配のご夫婦もいるそうで、
老若男女問わず多くの人たちに愛されているお店なのが分かる。


「幼いころの家族との団らんや幸せな食卓を感じられる空間を作りたい」と
語るのは店主の綱本氏。まさにそれが再現されているのがこの場所であろう。
思い返せば、母の手料理には、きんぴらごぼうやおからなど茶色が多かった。
しかしながら、それこそが、幼いころから慣れ親しんだ、まさにおふくろの味そのもの。
日頃、家庭の味に飢えている方の第二のふるさとになり得るかもしれない。
懐かしさ満点の手づくりおばんざいで、心と身体が癒されていくのを感じた
夜であった。

■SHOP DATA
【店名】 酒とおばんざい わのわ
【営業時間】 17:00〜翌1:00
【定休日】 不定休日あり
【TEL】 022-398-337
【住所】 仙台市青葉区国分町3-4-21