
気仙沼のホットスポット「みしおね横丁」に、紺色にイエローのラインがスタイリッシュな外観がひと際目を引くお店、BAR『プリズム』がある。まさかこれがトレーラーハウスだとは誰も思うまい。
横丁スタイルに魅力を感じ、その中にBARがあったら面白いのでは?と、構想から2年半の月日を経て、ついに機が熟し念願のBARをオープンさせたのは、バーテンダー歴30年のオーナーの小野寺雄志さん。一枚板のこだわりのカウンターの後ろにはズラッとお酒が並んでいる。
BARではあるがカフェタイムもあるので、昼間からコーヒーもアルコールも楽しめる。驚くことに、カクテルは500種類以上でノンアルも豊富。これだけの種類を飲めるのは気仙沼ではここだけだという。ソファー席でゆったり語るも良し、外で心地よい海風を感じながらくつろぐも良し。使い方は自由だ。

今までアイスコーヒーの印象といえば、後味スッキリなどといった飲み口にばかり注目していたが、「アイスコーヒーPRISM Blend(350円)」は香り高くクリアな後味が暑い季節にピッタリ!氷に負けない存在感の味と香りを楽しめる。
グラスのデザインもカッコイイ。二重構造になっているため、冷たさが持続し結露もしにくい。細かい気配りに感心しきり。そしてなんといってもオーナーの小野寺さんのコーヒーを淹れている姿はとても美しく、特別感も増し美味しさも倍増なのである。
ただコーヒーを飲むだけなら、今やコンビニでも事足りる時代。では、なぜわざわざお店でコーヒーを飲むのか?お店に求めているものは人それぞれだろうが、少なくともわたしたちは美味しいコーヒーと同時に、くつろぎの時間と空間を求めているのだろう。一杯のアイスコーヒーが出来上がる工程をずっと見つめながら、運ばれてくるのをじっと待つのもいい。あるいは読書に耽ってもいい。好きなように自分の時間を過ごせる居心地の良さがここにはある。


「いろんな人が集まってくるのが楽しいし、人と人をつないだり、そういうコミュニティを作りたかった」と、BARでありながら女性一人でも気軽に立ち寄れるカジュアル感も大切にしている。いつでも誰でも大歓迎の精神は、気仙沼の人の共通意識なのだろう。
店名の『PRISM』には、いろいろな光を集めて変化する、異なる光を交差させ、新たな価値観を創造するという意味が込められており、多くの人の交流の場としての役割を担っている。もちろん漁師さんにとっても憩いの場となっており、仕事帰りの一杯を楽しみにしているそう。
地元のミントを使ったモヒートは、鮮やかなグリーンが実にさわやか。フレッシュな香りとライムの酸味で清涼感あふれる仕上がりになっている。
また、みしおね横丁内のお店のメニューを注文して自由に持ち込めるのも特徴のひとつ。一次会だけでなく、二次会までもここで完結できるのが素晴らしい。横丁内のノリがいい仲間たちとともに、やりたいことが目白押しでワクワクが止まらない様子の小野寺さん。これからのイベントを心待ちにするとしよう。

