
名取市閖上の新スポット【かわまちてらす】にある、お団子が美味しいと評判の『おきたまや』さんを訪れた。山形県の置賜地方出身の児玉さんご兄弟が経営している。元々はサラリーマンだったが、地元の美味しい物を宮城で広めてみようと思ったのが店を始めるきっかけ。
震災から数年経った頃の活気のある閖上の朝市で、雨風に耐えながら毎回テントを設置し営業していたそうで、山形出身の自分たちも少しでも震災復興の力になれればとの想いがあったという。そんななかご縁があり、この新しい地にもお店を構える運びになったのである。
「揚げたてのえびせん」の試食を道行くお客様にすすめているのは、にっこり笑顔がすてきな店長の児玉憲章さん。その人懐っこい笑顔についつい足を止め、サクサクえびせんに手が伸びる。店頭には焼き場があり、ライブ感も味わいながら、珍しい焼き団子の焼きたてをいただくことができる。醤油の香ばしい匂いに誘われてたまらず店内に入る。

時代劇に出てくるようなお団子屋さんに似た雰囲気で、長椅子に座って焼 きたてをその場で楽しむこともできる。ショーケースの中には、ずらっと美味しそうなお団子が並んでいる。
おススメは「肉巻きだんご(メガサイズ)」だそうで、撮影でいらした有名人にも好評だったそう。ならばと、せっかくなのでトライしてみることに!菜箸並みの長い串にずっしり大きいお団子が3つ。やや甘み強めのみたらしだれをベースにしたお団子に、塩コショウしたお肉がぐるりと巻いてある。もっちり噛みごたえのあるお団子で、甘さとしょっぱさの共演がおもしろい。仕上げの八味がいい仕事をしていて、ビリっとした辛味がお酒のおつまみにも合うかもしれない。


期間限定の「子年だんご(チーズのせ)」は、濃厚さとボリュームがプラスされチーズ好きにはたまらない。「焼きだんご(ずんだ)」は、ほどよい甘さのずんだがてんこ盛りで食べ応え十分!焼いてあるので焦げ目もついており、その香ばしさがお団子そのものの美味しさを引き立てている。


他にも、チョコでコーティングされたお団子や五平餅もあり、毎回選ぶ楽しさがある。また子どもたちが楽しめる場づくりとして、くじ引きやマシュマロ焼きなども用意している。オープン当初は、プラスチックの器にお団子を乗せて提供していたそうだが、よりお客様を喜ばせるためにと、お団子をえびせんに乗せたらこれまた大評判だという。環境にも優しい取り組みで一石二鳥だ。

創造力豊かなお兄さんは主に新商品の開発担当で、お話好きな弟さんが接客担当と役割が決まっている。実にバランスの良いご兄弟なのである。「お団子を求めてお店に来てくれるお客様がいることが何より嬉しい」と語る笑顔には誠実な人柄がにじみ出ていて、お団子はもとより児玉さんご兄弟のファンも増えていくのだろうなと感じた。