生で食べられる安心・信頼
定禅寺通りに面したカウンターだけの小ぢんまりしたお店。聞けば、魚介の仲卸会社だという。食材の本当の美味しさ、特に牡蠣の旨さを一般の方に伝えるべく、アンテナショップとしての役割も果たすオイスターバーの先駆け的な存在である。常時、4~5種類の産地の異なる牡蠣を用意していて、その時期にもっとも美味しいものを味わえる。かきの仲卸をしているからこそ、いい食材を見分ける確かな目利きがあるから、安心して生かきを食すことができるのだ。さっそく食べ比べが楽しめる【殻付生かき4ピースプレート(1790円) 】を注文することに。「 瀬戸内海産の坂越かきはホタテみたいに甘いですよ! 」人生初の生かきに不安と期待を抱きつつ、レモンをサッと絞って一気に口に運ぶ。
一口でほおばるにはあまりに大きく、食べごたえたっぷりの特大サイズ。口の中はさわやかな磯の香りになり、ぷりぷりの身が弾けたとたんにとろっとクリーミーな甘さが広がる。「 んー!あまい! 」かき独特のクセが気にならず、生かき初心者にピッタリだ。「 この生かき、実はまだ生きているんですよ! 」の説明に驚きを隠せない。鮮度抜群だからこそ、この旨さ。なぜ今までこんなに旨いものを食べずに来たのかと後悔したのと同時に、ここで人生初の生かきを食べることが出来て心底幸せに思う。続けざまに今度は、宮城三陸歌津産の名足かきをいただく。海の恵みを凝縮した濃厚な味わいで、産地によってこんなにも違いがあるのかと驚いた。
クリーミーなかき
進化し続けるオリジナルメニュー
生かきもさることながら、それ以外のかき料理も存分に楽しめる。生で食べられるかきを使っているのだから旨いに決まっている。【 かき・ツブ貝・ホヤのオリーブオイル漬け 】は一気にイタリアンに大変身。独特の臭みが消え、旨みが引き出されており、パスタソースにしても美味しそうだ。【 ホヤルイべ(480円) 】はなんと凍っているではないか!口の中で溶かしながら食べるのが正解。溶けていくたびにホヤの香りがほわんと広がりクセになる。
かき・ツブ貝・ホヤのオリーブオイル漬け
ホヤルイベ
もっとかきの新しい美味しさを知りたいと【 かきみそグラタン(470円) 】もいただく。ホワイトソースの中に甘めの仙台味噌が効いていて和風のグラタン。かき初心者の方にはこちらもオススメ。
そして、ここに来たら絶対食べて欲しい逸品が【 オイスターシューター(880円) 】だ。ワイングラスの中に生かき、生うに、いくら、メカブ、特製のタレが入っており、それをグイッとひと口で楽しむのだ。見るからに贅沢。もったいないと言わず、ここはやはりひと口でいくのが良いだろう。いくらのプチプチ感とめかぶのネバネバ、生うにの甘さと生かきの濃厚な旨みを一度に味わえる。この調和の取れた豊かな味わいは感動ものだ。是非ともお試しいただきたい。
←かきみそグラタン
←オイスターシューター
常連さんはテイクアウトも!
そしてかきやさんにはテイクアウト商品があるのも嬉しい。この日も「 カキフライお持ち帰りでちょうだい! 」と常連さんが次々とやってくる。ここのを食べたらよそで食べられないのだろう。それはよく分かる。そして、ここで食べたかきの旨さを誰かに伝えたくなる。だからこそテイクアウトは有難い。【 かきフライ(600円) 】はサクサクの衣とジューシーさが人気。お客様からのリクエストも加味して新商品を作ることもあるそうで【 かきの唐揚げ(460円) 】もその中のひとつ。フライは定番だが唐揚げは聞いたことがない。熱々の唐揚げにまろやかな黒酢が良く合う。そして驚くのが、お客様が生かきを食べていた時に「○○産の生かきが美味しかった!」と言っていたことを覚えていて、そのかきを唐揚げにしてお出しするそう。そういう心遣いが憎い。
かきフライ
かきの唐揚げ
シメは【 かきの焼きおにぎり(580円) 】で決まり!かきがドンと真ん中に乗っていてボリュームがある。かきの煮汁を使ったご飯が実に旨い。「 あぁっ、大満足! 」一度にこんなに多くのかき料理を食べたのは初めてだ。ビタミン・ミネラルたっぷりのかきパワーでツヤツヤ肌になることを期待しつつ、家路についた。
■SHOP DATA
【店名】かきや no KAKIYA
【営業時間】 11:00~15:00
17:00~22:00
ランチ 11:30~14:00
【定休日】水曜日(祝日の場合、翌木曜休み)
【TEL】022−215−2218
【住所】 宮城県仙台市青葉区立町26-16 早坂ビル1F