店名が『魔法のたまご』とは、何やら変わった料理が出てきそうでワクワクする。
店内は、和のあったかい造りで、ゆったりと足を伸ばすことができる掘りごたつが魅力的。「ただいま~」と言いたくなるような家庭的な雰囲気がある。
さっそくカウンターに座り、手の込んだお通し(手作り豆腐・ビーツのポテトサラダ・里芋の煮物)をつまみながら、メインのおでんメニューに目を通す。
店主の佐藤さんは会津出身ということで、その地方の料理やおでんをメインに楽しむことができる。
おでんの出汁には、打ち豆といって大豆をつぶして乾燥させたものを使っているが、仙台ではなかなか手に入らないため、わざわざ会津から取り寄せているそう。そして、その風味を最大限に活かすために、醤油ではなく塩で味付けをしているのだとか。
気になる変わりおでんを次々に注文してみる。「焼きトマト(450円)」は、おでん出汁で煮込んだ完熟トマトがモッツァレラチーズをまとって登場。バジルソースの香りと甘い出汁をたっぷり含んだトマトの相性が最高だ。トマトからじゅわ~っとあふれ出る出汁の旨みが半端ない。
「魔法のたまごチーズオムレツ(550円)」には驚きを隠せない。この上ないふっわふわ感はもはやオムレツを超えたであろう。和と洋が見事に融合した創作料理に箸が止まらない。
「丸ごと玉ネギ(300円)」は、崩れそうなほどやわらかく煮込まれた玉ネギの上に、とろろ昆布と、ニンニクとゴマのドライ醤油が乗っている。とろっとした甘い玉ネギとゴマの香ばしい食感が楽しめる。
さらに、人気メニューのひとつでもある「とろとろ骨付き豚と半熟たまご(550円)」は、コラーゲンたっぷり!この旨さ、つゆごとご飯にかけて一滴残らず飲み干したいくらいだ。
つづいて、会津地方の料理をいただくことに。「会津坂下の馬刺し(一人前1,500円)」に舌鼓を打つ。なめらかな舌触りとこのやわらかさ。たまらずお酒に手が伸びる。
そして、会津名物の「特製イカの塩辛(350円)」と「いか人参(350円)」も満を持しての登場だ。味噌と酒粕を使った手作りの塩辛は、お酒のお供にもご飯のおかずにも合う。お孫さんを連れてご来店するお客様もいるそうで、幅広い年齢層に愛されているのが分かる。
最後に、気になって仕方がない「魔法のフレンチトースト(880円)」でしめることに。ボリュームたっぷり、フルーツたっぷりのカラフルで可愛い逸品にテンションMAX!さらっとした甘さの秘密は、メープルシロップの代わりのみりん。こんな使い方もあるのかと、多彩なアレンジに感動した。
「ここで食べた料理を家でも作って欲しいので、作り方も教えたりしますよ!」と笑顔で話す佐藤さん。その優しい笑顔が、このお店のほんわかした温かい雰囲気を作っているのだなと改めて感じた。
まるで実家に帰ってきたような居心地の良さで、オープンからラストまでたっぷり6時間、心ゆくまで寛がせて頂いた。